桜が連なる石畳の道を歩く。


春が来て、ワクワクする人も多いと思うけど、私は春なんて好きじゃない。



同じクラスになった名前も顔も知らない人に話しかけられる。

コミュニケーションをとることが得意じゃない私は顔を引きつらせてしまう。



そんな私を見た大抵の人は離れていく。



毎年毎年同じことを繰り返されて、またダメだねと離れられて。


自分が一番分かっているのに。


そもそも、こんなに笑えなくなったのは私のせいじゃないのに。





少し、卑屈になりながら残りの学校への道のりを歩いた。


石畳の道を歩いて約15分。


白くて大きいもんが歩く立派な校舎が見えてきた。



私立松門宮学園。


私が通うのはそこの芸能科。