少女は紫陽花色の雫を拾う

私も、御手洗篤郎の隣で、フェンスに背を預けた。

「私ね、今度、引っ越すのよ。海の方だったかしら。」

「この街も、退屈になるな。お前、面白い女なのに。」

暑い、と呟くと、彼は、視線を上げた。

「せいぜい、楽しく生きる事ね。じゃ、私、次、移動教室なの。もう行くわね。」

私は、御手洗篤郎に、掌をヒラヒラ振りながら、屋上を後にしたのだった。