少女は紫陽花色の雫を拾う

それから、父の暴力は、日に日に程度を増していった。

青紫色の右太腿の大痣が、赤黒く変色していくのを、俺は、凍りついた感覚の中、黙って見つめているだけだった。

〝キモチワルイ〟

父は、人を蔑む時の感情が喪失した目で、俺に鋭い敵意を向け続けた。

だから、父が嫌いだ。

姉の霞は、特急電車に飛び込んで、自殺を図った。

死人同然の状態で、機械の援助を受けながら、それでも、夢の世界で、幸せそうに生きている。

だから、姉が嫌いだ。