少女は紫陽花色の雫を拾う

私ってつくづく大人な女だわ、と自分の海より広い心の器に関心する。

「仕方ないわね。ここは、私が、折れてあげるわ。冬山、御手洗先輩の弁当、作っていいよ。」

私の大人な対応に、冬山は、何故か、口をつぐむ。

そして、僅かな沈黙の後、言った。

「いや、夏川、おまえがつくれ。」

予想の斜め上をいく冬山の返事に、頭がショートしそうになる。

「何よ、急に?」

「俺も一回くらい、おまえの事を信用してもいいかな、って思っただけ。」

冬山は、ニヒリと口角をあげ、小悪魔的な笑みをその顔に浮かべたのだった。