少女は紫陽花色の雫を拾う

「で、どう?見知らぬ女子からこの手紙貰ったら、キュンとくる?男子の意見が聞きたいわ。」

私は、紙から顔をあげる。

冬山は、紙を覗き込み、唸った。

「うーん、どうだろ?期待して裏切られたら…って最初に考えるだろうな。だって、その女子とは、会ったこともないんだろ。」

「夢がないやつね〜、でも、そういう事言っているやつほどラブレター貰った時は、舞い上がるのよね。」

ラブレターなんて貰った事ないのね、と真剣に悩む冬山に憐れみの目を向けた。

「うっせぇよ!ところで、お前、弁当作れる?」

急に話を変えた冬山に私は、気の抜けた返事を返した。

「は?作んの?」

「だったら、どうやって〝想い(仮)と睡眠薬の詰まったお弁当〟を用意すんだよ?」

「コンビニ五百円弁当を適当に可愛らしい弁当箱に詰め直せば良くない?」

冬山は、私に冷めた目で一瞥した後、制服のポケットからメモ帳を取り出し、抑揚のない声で読み上げた。

「言っとくが、俺の調査によると、御手洗篤郎は、毎日、昼飯は、コンビニ弁当だ。」

「それじゃあ、流石に手抜きがバレるってわね。」