少女は紫陽花色の雫を拾う

冬山の話に納得した私は、深く頷いた。

「ふむふむ、納得。じゃ、どうすんの?」

「俺の作戦、聞きたい?」

冬山は、私に挑発的な瞳を向けて、不敵に笑った。

「いや、いいや」

簡単に引き下がった私に冬山が声を荒げる。

「馬鹿は、黙って聞けよ!まず、朝早くに御手洗篤郎の靴箱に手紙と睡眠薬入り弁当を入れて置くんだ。」

聞いてほしいなら、最初からそう言えばいいのに。

「あ、わかった。それで、その手紙の内容は…」

冬山の作戦ってやつに合点がいった私は、通学鞄から裏地の白い保護者宛の手紙を探し出して引っ張り出すと、文字を綴った。

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御手洗先輩へ

私は、一年A組の女子生徒です。
たぶん、御手洗先輩は、私の事を知らないでしょう。
ずっと前から、御手洗先輩に近づきたいと思ってました。
しかし、どうしても二年生の教室に行くのは、気が引けていました。
私の真剣なお話を少しでも聞いてくださるのであれば、お昼休みに屋上で待ってます。

追伸:お弁当、よければ食べてください。
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