少女は紫陽花色の雫を拾う

「なるほどな。で、どうやって睡眠薬を盛るんだ?」

「そうね、普通に食べ物に仕込めばいいんじゃないかな。」

咄嗟に思いついた案を口にしてみる。

「で?」

「私が可愛らしい笑みを湛えて、その睡眠薬入りの食べ物を御手洗篤郎に差し出すのよ。」

私が当然の如く言い放つと、冬山は、私を厳しく怒鳴りつけた。

「無理に決まってんだろ!馬鹿も休み休みいうんだな。」

短気なヤツは疲れるわね、と心の中でそっとため息を吐く。

冬山とは違い、いつでも冷静な私は、落ち着いた声で質問した。

「何がダメなの?」

冬山は、心底私を馬鹿にした目を向けながら、説明してくれた。

「俺らは、昨日、あいつ、御手洗篤郎に殺されかけている。そんな俺らがにこやかに食べ物でも渡してみろ。仕返しに毒盛ってきたんじゃないか、とか怪しむだろ、普通。」