少女は紫陽花色の雫を拾う

「何すんだお前っ!」

叫ぶ冬山に涼しい笑顔で皮肉を返す。

「冬山くんったら、水も、いや、お茶もしたたる良い男ね〜」

慈悲深い私が、ハンカチを貸すと、冬山は、何も言わずに髪をゴシゴシやりだした。

そして、私は、真剣に話を切り出した。

「で、何故かって言うとね…」

私は、榎本麻里子と御手洗篤郎の心を視ようとしたときに起きた〝不具合〟(断じて私の能力値が低いわけではない)を丁寧に冬山に説明した。

「それで、睡眠時は、流石の御手洗篤郎でも自分の心にフィルター掛けたり出来ないと思うのよ。」