少女は紫陽花色の雫を拾う

私は、頷き、少し前の記憶を手繰り寄せようと、目を細めた。

榎本麻里子の時に感じた強く跳ね返される力…

御手洗篤郎のフィルターがかかったかのような心…

これらが、御手洗篤郎が私の能力を退けるためのものに思えたのだ。

「少し前、私が御手洗篤郎の心を視た時、白い靄がかかってよくわからなかったのよ。」

「お前の能力値が低いんじゃねぇの、電波女?」

冬山の言葉に敏感に反応した指先が微かに震え、お茶の水面に波紋が広がる。

怒りに荒れ狂う私の心は、台風とハリケーンが同時上陸したかのようだった。

私は、気持ちを押し殺し、お茶が既に冷めていることを冷静に確認した。

そして、笑顔で冬山にお茶をぶっかけたのだった。

「笑わせないでね、冬山くん。私の能力がそんなに低いと思ってるの?」