少女は紫陽花色の雫を拾う

流石の私も、冬山を哀れに思い、彼の耳元でそっと囁く。

「…これで、パフェの貸しチャラにしてあげるから。ね?」

冬山は、その瞳に怒りを露わにしながらも、真剣に私に確認する。

「さっきも言ったが、パフェは、俺があげた大福とメロンパンに深く感謝したお前が、せめてもの気持ちに俺に奢ったものだろ?」

私も真摯にその瞳を見つめ返し、言い放った。

「さっきも言いましたが、そんな事言った覚えなんかありませーーん!」

私の態度に苛立ったのか、冬山は、私を親指で示し、野次馬の生徒たちにビシッと宣言した。

「おい、お前ら、よーく聞け!こいつも同罪だかんな!」

冬山の心の訴えは、逆効果に終わり、彼は、またもや、頭上からの非難の声を浴びせられたのだった。

「冬山!無罪の夏川に罪を被せる気か!」

「はぁ?冬山、いい加減にしなさいよ?夏川さんが可哀想じゃない!」