少女は紫陽花色の雫を拾う

安定の美しさを誇る私のジュースの氷がカランと音をたてる。

冬山は、視線を上に傾けて、私のジュースを視界からはずしているようだ。

「ねぇ、冬山。御手洗篤郎って人の事、もう少し詳しく調べてみない?」

——超能力が自分だけに与えられた力とか思わないほうがいいよ。

御手洗篤郎と話した時に聞いたこの言葉が私の脳裡にこびりついて離れないのだ。

「あぁ、御手洗篤郎…お前、あの時、なんか見えたの?」

冬山が不思議そうに少し首を傾げてみせる。

私は、正直に話す。

「いいえ、何も見えなかった。フィルターでもかけてるみたいに。だから、逆に怪しくて…」

「まぁ、次のアテもないし、調べてみるか。」

冬山が少し息を吐き、宙に視線を彷徨わせる。

「あ、そうだ。冬山、今日、私が奢るから、好きなもの食べてよ。」

私は、冬山に〝夏期限定スイーツ〟のメニューを手渡した。

冬山が私を探るような目で見てくる。

「お前、何か企んでるの?お前が奢るとか、怖いんですけど。頭に〝タダより高いものはない〟って言葉が浮かぶんですけど。」