少女は紫陽花色の雫を拾う

陰口の尽きない女子生徒たちの姿が、瞳の隅に映り込んだ。

馬鹿馬鹿しい。

私の大きな口からは、あくびが漏れた。

強い眠気を感じた私は、部室で昼寝でもすることに決めたのだった。

傾きかけた日の光が優しく降り注ぐ部室は、放課後最高の昼寝スポットなのだ。

部活動についてだが、私は、茶道部に所属している。

入学当初の私は、グデグデユルユルな高校生ライフを夢見ていたので、帰宅部を強く希望していた。

しかし〝活動的な優秀人材の育成〟を目標に掲げる学校側がこれを認めなかったのだ。

私は、仕方なく、グデグデユルユルな高校生ライフが楽しめそうな部活を探しはじめたのだが……

そんな部活あるもんか、私の心には、既に諦めの色が混じっていた。

ところがどっこい、ちゃんと存在していたのである。

それが、茶道部だった。

お菓子を食べながらお茶をぐびくび飲むことだけが活動内容である茶道部は、そんな私の条件を完璧に満たしていたのだった。

(全国の可憐な茶道部員の皆さん、ごめんなさい。)

私は、その日のうちに、部活動届を担任のハゲタカに提出した。

悲しいことに〝電波女〟と噂される私の入部は、茶道部員集団脱退を引き起こした。

そしてついに、一週間ほど前、部員が私一人となったのである。