次の日も、やはり、冬山は、茶道部室にやって来た。

冬山は、制服の胸ポケットから一枚の写真を出した。

「わーお、イケメン。冬山の十倍くらいイケメン。で、誰?私の携帯番号聞きたがってるとか?」

写真に素直な感想を述べる私の頭を、冬山がバシッとはたく。

「んなわけねぇだろ!お前に振り向く男がいるかってんだよ。」

怒る冬山に、十数秒前の〝冬山の十倍くらいイケメン〟発言が思い浮かぶ。

「根に持ってんの?ネチネチ野郎は、モテないよ。」

「余計なお世話だ。」

「神崎さんとは、うまくいってるの?はやく行動起こさないと、清宮っていうやつにとられちゃうよ?」

大丈夫なの?、とひやかしの目で冬山を覗き込む。

「それこそ、余計なお世話だ。」

冬山は、鼻をフンと鳴らして、ムスッと顔を背けた。