少女は紫陽花色の雫を拾う


「お前、邪道だな、おい!お茶菓子が〝じゃがりこ〟なんてありえねぇだろ!」

冬山は、コンビニのビニール袋を覗き、不満を私にぶつける。

私は、コンビニダッシュで荒れた息を整えながら、冬山を睨む。

「私の好みの問題でしょ。私は、本物のお茶菓子は〝じゃがりこ〟だって信じて生きてきたわ。」

私がお茶を入れると、冬山が文句を言わずに手をつけたのは、意外だった。

しかし、一口飲むと茶道部長に対して冒涜とも言えるような暴言を発したのだった。

「まっず!にっが!」

プライドを傷つけられた私は、冬山をヘヘンと馬鹿にした。

「うっわ、教養のない人〜。日本伝統、茶道で入れるお茶は、苦くて不味いものなんです〜」

「それは、茶道に対する偏見だろうが!」

静かで風流な場所であるはずの茶道部室に、冬山の怒鳴り声が轟いた。

その怒号に、何故か、元気づけられた節があることは、秘密にしておこう。