少女は紫陽花色の雫を拾う

「ふぅん、お前、自分の超能力について良く思ってないのか?自分は超能力者だと、他人に堂々と公言してたくせに。」

冬山は、私の言葉に怪訝な顔をする。

「うん、周りが私のこと〝電波女〟って呼んで避けるのを、自身の力の抑制に使っていたのかもしれない。馬鹿みたいよね。」

「うん?」

納得がいかなそうな冬山に続ける。

「人間、見ない方がいいって最悪の結果が待ってるって分かっていても、好奇心が抑えきれないことがあるものよ。」

人の心って意外と儚くもろいものだもの。

いつ、壊れるか分からない。

本当に、大丈夫なのよね、榎本先輩?

榎本麻里子の精神は、何時までもちこたえられるのか。

「なんか、お前、悟りの境地にでも至ったかのような話するな。現代社会の孔子になって弟子でもとれば?」

冬山の冗談に軽く笑って言う。

「そりゃね、人のどす黒い一面を何度か見ていればね。あんたとは、人生経験の量が違うのよ。」

私は、冬山に、力なく微笑んで見せた。