【短】大型犬系暴君

「嫌だ。ずっと我慢してたんだから、離れねぇ。オレの癒しの時間を減らそうとすんな潮」


そう言いながら再び頬擦りしてきて、挙げ句の果てにはチュッと私の髪の毛にキスまでしてきた。


私の友達も先生方も、確実にこんな甘い雰囲気の左京は知らない。


くっつきたがりで微妙に甘えん坊になって、なんかオオカミじゃなくて犬の耳とシッポが見える様な鬼塚左京を知っているのは、私だけ――――…


「なぁ潮…そういやあ4時間目が始まる前にお前と話してた男、誰だよ」


くすぐったく感じつつも大人しく抱きしめられていたら、不意に左京の声が低くなった。