キュッと結び終えた途端、左京が私の名前を呼んだ。
その声音はB組で王様の如く私を呼びつける時とは違って、微かな甘味を帯びている。
「何?左京」
それに気づかないフリをして窓の外を眺めていると、また「潮」と呼ばれた。
「もう食い終わったんなら、いいだろう…?」
「………」
「なぁ…」
段々焦燥感を滲ませる声に、見られない様に口元を上げた。
皆は左京を鬼やら暴君やら悪魔やら色々言うけれど、もしかしたら私の方がよっぽど腹黒いかもしれない。
だって相手が焦ってる事を分かってるのに、もったいぶってるんだもん。
その声音はB組で王様の如く私を呼びつける時とは違って、微かな甘味を帯びている。
「何?左京」
それに気づかないフリをして窓の外を眺めていると、また「潮」と呼ばれた。
「もう食い終わったんなら、いいだろう…?」
「………」
「なぁ…」
段々焦燥感を滲ませる声に、見られない様に口元を上げた。
皆は左京を鬼やら暴君やら悪魔やら色々言うけれど、もしかしたら私の方がよっぽど腹黒いかもしれない。
だって相手が焦ってる事を分かってるのに、もったいぶってるんだもん。



