私と遼は同じ塾に通っている。遼の方がちょっと後から入ってきた。その頃はまだ何ともおもってなかったんだけど、いつの間にか恋に落ちてたっていうちょっと笑える話。
部活から速攻塾に行く私はパーカーを羽織り、すぐに家を出る。
だが、今日は顧問の先生が来れなくなってしまい、部活自体がなくなった。だから、私はシャワーを浴び、少し早めに行って自習をする事にした。
しばらく経ったあとに遼がきた。
「おお!渡辺もう来てたのか!」
うっさいなーとは思いつつ
「んー。部活がなくなったからねー。」
と返した。
「へー、お前が自習するって珍しいな。あんま見たことねーや。」
「そうだね。いつも部活から速攻来てるから…。」
と言いかけた時、遼の手が私の頭をぽんぽんっとした。遼を見るとニヤニヤしている。瞬間的に私の顔は赤く染まった。
「ふ、ふざけんなーー!!」
と叫んだら先生から、
「渡辺うるさいぞー。」
とお叱りを受けた。何なんだいきなり!私の頭の中は混乱していた。オマケに遼は、
「かわいいなー、雪絵は!」
と笑顔で言ってきた。…なんか、さらっと下の名前で呼んでるし、こいつ自分の武器を知り尽くしているな…。好きな人にこんなことされて、自惚れない人なんているのかな?この時私は、もしかしたらって思っていた。
私達が中2だった時のお話。