バウンス・ベイビー!



 夜、温かくした部屋の中で、パソコンの画面から光が漏れている。時刻は11時半を過ぎていた。

 私は床で胡坐をかいて座り、時折缶ビールを飲みながら、ずっと集中して書いていた。

 目はジンジン痛いけれど、今晩はもうちょっと書いてしまいたい。頭の中でヒーローの隼人がはしゃいでいる。そんな感じがするのだ。この興奮を文章へしてしまいたい。

 今日はようやく、ようやく二人がひっつくのだ。

 それまでの長い知り合い期間をようやく書き終えることが出来て、もう十分機は熟したと思える。だからもういいだろう。次のステップに進むべきなのだ、この二人は。

『隼人は手をのばして、ついばむようなキスをした。美春はただ彼を見上げる。隼人のキスは驚くほどに優しくて、美春の頭を停止させた』

 キスをして―――――――それから・・・。

 完全に集中していた。多分ほとんど瞬きをしてなかったと思う。

 二人はここから場所をうつすべき?それともここで?でも野外だと色々問題がありそうだし・・・。

 そこで一瞬、現実が私の頭をよぎった。

 明日これをアップしたら、浜口さんに・・・いやいや、もしかしたらもしかすると、平野にも読まれてしまうかもしれない!

「・・・・ぎゃあ!」

 身近な人に読者がいるというのは、嬉しい上に生きた反応を見ることが出来るけれど、こういう濡れ場を書いたときには穴に入りたくなるものだ。