そんなわけで、一日遅れの給料日が来た。

 私はその日は休みだったけれど、朝っぱらから高峰リーダーの電話で起こされる羽目になった。

「・・・はい、藤です・・・」

 枕元で鳴り響いたので目を覚まし、寝ぼけたままでスマホを耳に押し当てると、今日も元気なリーダーの罵声が飛び出してくる。

『おい!俺が働いてるのに何でお前はまだ寝てんだよっ!!』

 はい・・・?私は寝転んだままで首を持ち上げて壁の時計を見た。一体どんな時間まで寝ているのかと思ったのだ。だけど―――――おいおい!

「・・・リーダー、まだ10時ですよ」

『10時っつったら始業時間だろうが!休みの日でも働いている人間に敬意を払ってその時間には起きとけよ!』

 無茶苦茶だ。何だそれ。私は憮然として、ごろんとベッドに転がったままでぶーぶー言い出す。

「リーダーだって休日には寝坊くらいするでしょう~!?いいじゃないですかー休みの日くらいー!」

 ほっとけっつーの。おかげで目が完全に覚めたてしまった!

 ちゃんとカーテンをしめてなかった窓からは朝日が燦燦と降り注いでいて、11月の空は晴れ上がっているようだ。

 私は仕方なくベッドの上で身を起こした。

『今日出てるから、給料。判子もって来いよ。でも昼休みは邪魔すんな、俺、今日は外食するからさ』

「え、行かなきゃダメですか?明日でいいから置いといてくださいよ」

 思わず顔を顰める。そりゃ給料はなくては困る。だけど、わざわざ休みの日に職場へいくなんて嫌ですよ、ほんと。