「うぎゃあ~!!もう黙って~っ!!」

「エロ度もちゃんと増してたし」

「うるさいうるさいうるさい~!!」


 手を繋いで歩いていた。

 これから私達は、駅前に向かって美味しいご飯を食べるだろう。そして、平野の部屋にいくかもしれない。まだ未来は判らないことだらけだけれど、とにかく現在は、私達は一緒にいて一緒に笑っている。

 あんなに好きで追いかけた人が、私の隣で。



 胸の奥、一番深い場所に埋めていた。凍り付いていたあの日の涙の最後の一粒が、溶け出して光を放ちながら消えていく。

 そしてそのあとに、芽吹いたばかりの金色の花が、ゆっくりゆっくりと大きく開きだしたのを、私は確かに感じていた。







「バウンス・ベイビー!」終わり。