・・・何か、すごい久しぶりな気分・・・。
さっきまでの孤独は既に影を潜めている。何故か私は平野と車に乗っていて、これからどこかへ行くらしい。
「何?」
前を見たままで平野がいきなりそう聞いたから、私は焦った。
「え?はい?」
「俺を見てた。何考えてる?」
「え、えーっと・・・」
それはもう、色々と!
そう考えた瞬間、それこそ山のような質問が頭の中に湧き出てきた。
「ど、どこ行くの?」
「ちょっとした郊外」
「え?」
「他の質問はなし?」
曲がり角を曲がってからちらりと私を見る。自分から聞いておいて、そんな曖昧な答えしかないのかいな!ついぶーたれて突っ込みそうになったけれど、いかんいかんと目を閉じる。さっきまでのシリアスモードよ戻ってこい。ここで暴れても何の得にもならない。
何となくドアへ体を押し付けるように座っていた私は、そこで体勢を直した。落ち着け、私。そしてとにかく怒らないで色々聞いてみよう。
「・・・電話もメールもくれなかった」
まずはぶすっとそう苦情を垂れる。ちょっとくらい甘えてもいいかなと思ったのだ。だけどそこは汲んでもらえずに、平野は淡々と返答する。
「藤だってくれなかっただろ」



