バウンス・ベイビー!



 そんなに驚かなくても、そう言って平野は苦笑する。

「それにちゃんと覚えてるか?昨日・・・というより今朝、一緒に寝たってこと。俺、好きでもない女の子を抱くほど飢えてないんだけど。――――――まあとにかく、今は餅を救ってやらなきゃな」

 そう言うと抱きしめたときと同じくらい唐突に体を離して、平野は部屋の隅に置いたテーブルを出し始めた。

 せ、宣言・・・されてしまった。私は驚きから冷めないままで、震える手でフライパンの火を消した。とにかく膨れてしまったお餅をお皿にうつし、砂糖に醤油を垂らしたのをつけてテーブルへ運ぶ。右手と右足が一緒に出そうだった。それで転けたら格好悪いぞ、私!フライング餅になるんだぞ!何としても踏ん張るのだ私!

 平野はもう平然として、テレビの画面を見ながらお茶を飲んでいる。

「・・・でき、た」

「うん。ちゃんとフライパンで作れるんだなー、焦げてるけどうまそう」

 焦げてるのは誰のせいなんだよ・・・と私が魂を逃しかけていると、平野は手を合わせてにっこりと笑う。

「頂きます」

 そう言って。