そのままで、眠ってしまっていた。


 さらさらと気持ちの良い感触を頬に感じて、私はゆっくりと目を開ける。

 何か凄くいい夢をみていたような気がする―――――――・・・と思いつつぼやける目を擦った途端、至近距離で私を見る平野の顔を捉えた。

「・・・おはよ」

「わわっ!!」

 平野が指で頬を撫でて起こしてくれたらしい、と気がついた後に、ぎょっとして飛びずさろうとして――――――――壁に頭の後をぶつけてしまった。

 ごん、と大きな音がして、私は床に転がる。

「・・・何してんの、お前。痛みは大丈夫か?」

「ううう~、い、痛い・・・結構な痛みだわ」

 私が頭を抑えながらそう唸ると、平野はため息をついた。

「頭はな。俺が聞いてるのは体の方。とくに、下半身について」

 え。

 一気に思い出した。下半身の心配をされるようなことを―――――――つまり初体験を!ついに!しかも平野と!してしまったってことを!!

 ぎゃあ~!

 そしてよく考えなくても現在の私は、真っ裸である、そのことにも思い当たって、寝転んだままで私は慌てて毛布をかき寄せる。

 うんぎゃああ~!!

「え、ええと・・・べ、べべ別に痛みは・・・」

 感じ、ない。言いながら自分の手で触れてみると、やはり若干の痛みが蘇った。それに、今までにない違和感も。