どこを柔らかく!?目を見開いた私を見て、平野が仕方ないと一度立ち上がった。それから部屋の電気を消してベッドライトをつけ、薄暗くなった部屋の中で戻ってくると、身を縮こませる私にふんわりと優しくて深いキスをする。

「ゆっくりするから・・・力抜いてくれ」

 何を言っているのか判らない。だけど文句は言えなかった。平野は自分の服を全部脱ぐと、私をぎゅうっと抱きしめる。繰り返されるキスに体の中心から熱が発せられる。焦るような気持ち、それから心地よさ。何がなんだか判らないけど、気持ちいい―――――――――

 その時、太ももをなでていた平野の手が、脚の間に触れる。十分に熱くなったそこをゆっくりと撫でながら、平野が言う。藤の気持ちいいとこ教えて。囁かれても首を振るばかり。彼の指が進入してきた時、目を閉じて、津波のようなものに意識が浚われるのを感じていた。かき混ぜられて声が上がる。指が増やされる度に体中に鼓動が響いて、自分が壊れてしまうのではないかと思った。

「・・・きっついな。ちょっと我慢して」

 平野の声に苦しそうな響きがこもる。

 今まで想像してきていた、どの感じとも違った。巨大な力に連れて行かれるみたいだ。私は涙を流し声を漏らす。目の裏に火花が散り、大きな波にさらわれて脱力した、と思った瞬間、平野が体の中心に入ってきたのが判った。それに鋭い痛みが。思わず小さく悲鳴を上げると、またキスが降って来た。

「大丈夫、だから。藤」

 優しい声に目を開ける。うっすらとした視界の中、平野の切ない表情が見えた。眉をよせて私を見ている。