うっぎゃああああ~っ!!
覚醒した。私は慌ててバタバタと両腕を動かして、何とか平野から逃れようと頑張る。ヤツの腕はあっさりと抜けられたけれど、私の後ろはすぐ壁だった。
「まっ・・・待っ・・・ちょっと待って!」
「うん?何を?」
面白そうな顔でそう言って、平野がまた腕をのばしてくる。私はパニくって逃げ場を探す。だけどない!大体ここは既に部屋の隅っこだ!テーブルやベッドが邪魔で、これ以上どこにもいけそうにはなかった。
妖怪みたいに腕が長くなるのじゃないかと思った。そんな逃げんなよ、そう言いながら平野はすぐに私を捕まえて、怪しく笑う。
「―――――前の時は受け入れてくれたけど。どうしても嫌ならやめるよ」
そう言いながら、私の顎を手で固定して、軽く触れるだけのキスをする。
ぎゃーっ!!
私はきっと涙目だったはずだ。しかも真っ赤で。すごく近いところに平野の顔がある。昔はこの目が私を見てくれるようにと願っていたものだった。その目が、今は私だけを真っ直ぐに見ている。こんなに近くで。
「ひ、ひ、ら・・・」
「この表情、好きだなー」
もう一度フレンチキス。体はカチンコチンで、抵抗もしないまま、私は平野の唇を受ける。彼が下唇に柔らかく噛み付いたとき、全身が燃えるような感覚があって震えた。
「・・・前、教えただろ。こういう時は――――――」
舌を、出す。



