言いながら、それが本当の気がしてきた。職場マジックなのだ。多忙で、プライベートでの出会いがない場合、成人男女が一緒に働いていると恋愛感情が産まれてしまうのは仕方のない、当然のことではないだろうか?独身で適齢期の女子が私しかいないのだから、そうなるのは当然と言えば当然だ。ということは、あんなに混乱して動揺することなどなかったのでは?普通にして放置しておけば、二人ともいつの間にやら興味を失って他の女の子のほうへ行くのではないのか?
平野はそのうちにいなくなり、日常が戻った作業場ではリーダーの熱だって冷めるだろう、って。
ドン、とグラスをテーブルに置いて、仁美が片眉を上げる。
「そう思ってるならもっと悩む必要はないでしょ!?もう、面倒くさいわね、ごちゃごちゃと!いいわ!あたしの彼の友達を紹介するから、千明、とにかくその男と会いなさいよ!それで職場のエプロンの男共なんて忘れられるでしょ!」
「え」
私がぽかんとしていると、隣で梓がはしゃいで手を叩く。
「それがいいわ~!いいじゃん千明!仁美の彼氏の友達なんて、恐らくかなりランクも高いよー!」
「秋に彼女と別れたばかりの男がいるの。あの人なら、千明のことも大切にしてくれると思う。タカシから話を聞く限りじゃ性格も顔も悪くなさそうだし」
「え、あの、いやいや」
私は慌てて両手を振っているけれど、酔っ払った友達二人はその気満々になってしまって、勝手に話を進めだした。



