そりゃあ私だって一応いつもよりはマシな格好をしているのだ。眉毛も描いてるし、マスカラだってしている。だけどそれは普段のスッピンの私を知っている人にしてみたら判る、という程度のことであって、久しぶりに女友達と飲むのにこれではダメだったかもしれない。二人に会ってからそれに気がついたのだ。
気合が、足りてないかも私、って!
そしてその二人の中間を上手にとったようなシックで上品な格好の梓。シンプルな黒いスーツ姿だけど、胸元の白いシャツはそれだけで私の全身のコーディネート代を越えるかも、と思うような上質なもの。ブラックスカートから伸びる足はすらりとしていて白く、8センチヒールを美しく履きこなしている。彼女も仕事帰りだけど、仕事が秘書なのでその点からして通勤着のレベルは確実に違っていた。控えめな化粧、だけどそれが実に巧みで、彼女のスッピンも知っている私が思うに美人度が3割増しになっている。
会った時に格好の違いで私は遠慮したほうがいいかも、と心底思ったのだけれども、女友達は二人とも両側から腕を引っ張って私を連れてきたのだった。その格好が、実に千明らしくていい、と連呼しながら。
そして今、仁美の話、梓の話が終わり、次は千明よ、最近どうなの?と聞かれたから答えた話題について、仁美から尋問を受けているってわけだ。
「そーの、高校時代に惚れてた男と再会したんでしょ?しかも今度はあっちからモーションかけてくれてるときてる。どうしてしないのよ、デート。いいじゃないのデートくらい。時間いくらでもあるでしょう?」
仁美が眉間に皺を寄せながらそう聞いた。デートくらいって・・・。私はぽかんとして彼女を見詰める。



