今夜、君にラブロマンスをささげよう。


「伊万里? 朝っぱらから何、ひとりごと言ってんだ?」


 神流ちゃんが起きちゃったんだ。


「うわあああっ!!」

「なにっ?」


 びっくりしたわたしは大きな声を上げ、背中越しにロップちゃんを隠した。


「あ、ううん。なんでもないの。あはははは……」

 どうしてだろう、神流ちゃんからロップちゃんを隠した理由なんてない。

 条件反射。

 ただそれだけ。

 だけど一度隠してしまうと、後からはなかなか打ち明けにくいものだ。


 わたしはひたすら、はぐらかす。