今夜、君にラブロマンスをささげよう。


「あ、はじめまして。わたしは伊万里(いまり)って言います」

「伊万里姫でしゅか。ボクはフェアリー王国、王家親衛隊隊長を務めていますロップと言いましゅ。よろしくお願いしましゅでしゅ」


 可愛らしい話し方で思わず口元が緩む。


 でも妖精って本当にいたんだ。


 妖精の存在を疑っていなかった子供の頃を思い出す。


 これが夢でも現実でももうどうだっていいや。


 だって妖精さんとお話しをしているなんてとても素敵なんだもん。


 今を楽しむことに決めたわたしの背後で、布団が掠(かす)れる音がした。