今夜、君にラブロマンスをささげよう。


 ああ、この子はやっぱり……妖精さん!?


「はじめまして。あの、不躾(ぶしつけ)で申し訳ありませぬが、どなた様でしゅか?」


 大きく鼓動を繰り返すわたしの心臓。


 何回も瞬きを繰り返し、頬を抓(つね)ったりして今が現実なのかをたしかめる。

「いひゃい」


 頬がジンジンする。

 どうやらこれは夢じゃないみたい。


 そんなわたしの前で、丁寧(ていねい)にお辞儀(じぎ)をする妖精さん。


 あまりに礼儀(れいぎ)正しくて、悲鳴を上げることも忘れたわたしは、妖精さんつられてお辞儀をした。