食堂の入口で話しているおかげで、みんながわたしたちに注目している。
(とても恥ずかしい!)
「聡ちゃんも神流ちゃんも、カウンターで注文済ませて早く席に着こう、ね?」
「用意ができたら番号で呼ぶからあとでカウンターに取りに来てちょうだいね」
「はい、ありがとうございます」
人の良さそうな食堂のおばあちゃんから説明を受け、09と書かれた注文札をもらった。
「ガルルル」
「むうううっ!」
「あ、ほら。神流ちゃん聡ちゃん、あそこ空いてるよ?」
わたしは今もまだ険悪ムードな神流ちゃんと聡ちゃん二人の背中を押して、空いている席を目指した。
だけどやっぱりわたしは背が低い。
たくさんいる食堂で、他の生徒さんと背中越しにぶつかってしまった。



