今夜、君にラブロマンスをささげよう。


(たしかに、それはそうだけどでもっ!!)


「まあまあ、今さら隠すなよ。伊万里、いつも王子様を見てたじゃん」


「……うう」

 そう。わたしもみんなに混じって志月さんを見ていた。
 だって運動神経も頭もいい。それに加えてとても格好いいんだもん。
 素敵だなって憧れちゃう。できたらこの学園にいる一度だけでいいから声をかけられたい。そう思うのは女の子の夢だ。

 だけどまさかお話できるほどまで近くにいられるなんて思わなかったから、わたし自身、とてもびっくりしている。


「そうなのか? なんだよそれ!! 俺の純粋な伊万里がどこかに行ってしまう!!」

「なんでそうなる。アンタの思考回路はいったいどうなっているんだ?」


 聡ちゃん、声が大きい。