今夜、君にラブロマンスをささげよう。


「昨日は放課後だったのにすごく(にぎ)やかだったじゃん? 今日はみんなが集まっている食堂なのに静かだよね」

 わたしがわかるように、神流ちゃんはゆっくり話してくれる。

「……? うん」

 だから余計に恐いんだよ。

 わたし、何かされちゃうのかな、って。


「きっと、王子様がみんなに忠告したんだよ。伊万里を傷つけちゃダメだって。ーーやるじゃん、さすが王子様」


「いやいや、安心しない方がいいぞ? 伊万里」

 何度も頷く神流ちゃん。

 後ろから、突然非難する声がした。


「えっ? あ、(さと)ちゃん!」


 聞き慣れた声がして見上げると、そこには幼なじみの聡ちゃんがいた。