そして今は朝食がはじまる午前7時少し前。 月之ヶ丘学園、女子の制服である襟元に赤いリボンを結び、深緑色のブレザーとチェックのプリーツスカートを身に着けたわたしと相部屋の神流ちゃんは登校の身支度を終えて食堂にいる。 「……うう」 「まだグズってんの? 王子様を押し倒したのは事実なんだから、もういい加減に開き直りな?」 へっぴり腰になるわたしの背中を押しながら、楽しそうに神流ちゃんはそう言った。 「ーーーー」 正直、今日は誰とも顔を合わせたくはなかった。