今夜、君にラブロマンスをささげよう。


「何か策があればいいんだけれどね」


 こればかりは難しいかな。

 一番の改善策は、俺が七瀬さんと別れることなんだろうけれど、もっと接していたいと思う気持ちの方が強い。


 これは俺が彼女に惹かれはじめているということだろうか。

 それとも、父が決めた花嫁が気に入らないからだろうか。


 今はまだ、どうとも言えない。


 自分の事なのに自分のことが一番わからないなんて……。


 俺は苦笑を漏らした。