今夜、君にラブロマンスをささげよう。


 今まで聞いたことがない。

 これはいったいどういうことだろうか。


「はいでしゅ!! どうしましょう。ややこしいことになりませんか? 王子は伊万里姫とお付き合いされているのでしゅよね?」

 ……たしかに。

「でもなぜ彼女がここへ?」

「美乃姫は王子のことが大好きなのでしゅ。三年が待てなかったのでしょうね」

 たしかに、彼女は昔から俺から離れなかった。

 だが、この世界で過ごすのはあと一年もない。

 この学園を卒業すれば、俺はフェアリー王国で彼女と式を挙げる手筈になっている。