本当は冗談ではなかったんだけどね……。 とはいえ、彼女を困らせるのもよくない。 彼女の一挙一動が可愛らしくて、俺の口元が緩んでしまう。 「いえ、そんな。お礼を言われるようなことは……」 顔の前で両手をぱたぱたと振り、照れくさそうに笑う彼女がなんとも可愛らしい。 「あのっ、伊万里姫!!」 七瀬さんの肩にいたロップが羽ばたかせ、宙に浮くと彼女との目線を水平にした。 「なあに? ロップちゃん」 「きょ、今日も……伊万里姫の御部屋にお邪魔してもよろしいでしゅか?」