四枚の、トンボのような長い透明な羽。

 茶色いクセ毛の髪。

 親指ほどの小さな男の子。

 彼の正体は、妖精。


 この世界とは異なるアストラル世界にある、フェアリー国、王家の親衛隊隊長、ロップだ。



「お会いしたかったのでしゅ。うわああああんっ!!」


 彼は俺の胸元にしがみつき、大きな目から滝のような涙を流して泣きじゃくる。


「えっと、どうしてロップがここに? 七瀬さんがなぜロップと一緒にいるの?」

 たしか、この世界では妖精は滅多に姿を現さないと祖母から聞いている。