普段は大人しいのに、突然大きな声を出して俺の名前を呼んだり、走り込んできたりと挙動不審(きょどうふしん)だ。


 いつもなら、控(ひか)え目な彼女が、今日は何かを必死に守っているように見える。

 果たして彼女はいったい何を守ろうとしているのだろう。


 それを知るため、俺は昨日と同じく彼女を生徒会室に連れて行く。



 五階の生徒会室で二人きりになった直後――。

 それは突然俺の前に飛び出してきた。



「王子ぃいいいいっ!!」


「えっ? ロップ?」