「っつ……」


 ……うう。やっぱり名前呼びなんて図々(ずうずう)しかったかな。

 恥ずかしい。

 我に返ったわたしは、志月先輩と距離を置いて立ち止まる。


 だけど、そのまま立ち尽くすことはできなかった。


 それというのも、わたしの胸ポケットにはロップちゃんがいたからだ。




「お会い……」

 ロップちゃんはふたたび大きな声を出した。


 ぎゃあああああっ!!


「お会いしたかったです!!」


 例のごとく、わたしがロップちゃんの声を隠すように大声で話す。