今夜、君にラブロマンスをささげよう。


「ふ~ん」


 だけど……うう、疑われてるよ。

「わっ、わたしトイレ行ってくるねっ!!」


 これ以上、神流ちゃんに突っ込まれたら、はぐらかせる自信なんてない。

 質問攻めから逃れるため、わたしはロップちゃんを連れて女子トイレに走った。




「えっと、それでロップちゃんはどうしてここにいるの?」

 女子トイレの個室に辿り着いたわたしは、ロップちゃんを手荒いの吐水口に置くと、小さな声で尋(たず)ねた。

「はいでしゅ。ボクは碧(へきる)王子に大切な言伝(ことづて)をするためにやって来ました。こちらに王子はいましゅか?」