「ママーーー!!!」

「涼ちゃん!!会いたかった!!!」


やっと…子供達と涼が再会


「久しぶりだねぇ~ 会いたかった~」


涼は、前よりも喋りがゆっくりになった


リハビリしたり、免疫抑制剤のせいで
少し頭痛に悩まされたが



順調に回復した



ただ、1年ほど記憶が抜け落ちた



「夢の中でね 和くんがチョコくれてね
すっごく嬉しかったんだ!
あっ!プリンもくれたんだよ!」



いつの間にか、田中が懐いたから
涼は、不思議がった

自分の苗字も田中になっていて驚いた




年内の退院は、難しいそうだ





でも、年明けには退院出来るとのこと



「涼 俺と結婚して下さい」

「有ちゃん 私でいいの?」

「涼がいんだよ」

「有ちゃん!!私…恋出来るかな?」

「田中 涼さん
もう…恋愛は、無理だと思っていました
多分…一目惚れで
何度も自分の気持ちに蓋をしたけど
この気持ちは、変わらないどころか
大きくなって
子供達の為じゃなく、俺が
家族が欲しいと思った
涼が好きなんだ!
幸せにする!
涼… 俺ともう一度、恋はじめよう
結婚しよう!」


大粒の涙をポロポロと流す


「はい」


その返事を貰って、ポケットから
指輪を出して、ジャン!と見せ

涼の左手をとった


涼と微笑み合ってから、痩せて細くなった
薬指に指輪をはめた




「誕生日おめでとう」

「ありがとう! …嬉しい!」









今日から、俺達は









   『もう一度、恋はじめました』