「叔父さん叔母さんを呼んで、説明して貰おう」

桐川さんの提案で、田中が2人に連絡した



「田中… よく見ると、涼に似てるな」

「うん!似てる!」

「気づかなかったなぁ」

「俺なんて、従兄弟なのにわからなかった
桂介と似てないとは、思ってたけど」

「本当…田中さん、姉ちゃんにそっくり」



社長は、黙っていた

涼が心配なんだろう



田中夫妻が到着すると

桐川さんが、なぜ呼んだのか説明した



「涼ちゃんと桂介の事、教えて下さい」


桐川さんが、促す


「桐川の妹で、私は、涼子の姉です
涼子は、なかなか子供が出来なくて…
どうしても二宮家の後継ぎが欲しいと
中谷桂子さんにお願いしたんです
中谷さんとこは、女の子が欲しいと言っていて、丁度よいと…
桂介と涼ちゃんが出会ったのは…
中谷さんが、離婚される前です」


叔母さんは、深呼吸をして続けた



「涼ちゃん…死のうとしたんです」



ごくりと喉をならした


「それを助けたのが、桂介でした
2人は、同じ悩みを持っていました
家族と血液型が違うこと
家族と似ていないこと
そして… 家族が自分のせいで不仲になっていること
家の中に居場所がない
家族として、認められていない

2人は、すぐに意気投合して

同じ高校に入る約束をした

家族に認めて貰う為に…

桂介は、家業を継ぐつもりでした
だけど… 気づいてしまったんです

母親と涼ちゃんが似てるって

涼ちゃんも桂介に父親の会社を手伝って貰って、気づいたの

2人が…
私達の所に、来ました

同じ日に、同じ場所で生まれた
取り違えたんじゃないかって…

そんなことがあるはずないって、追い返しました

そして…すぐ、桂介が家業を継がない
和友に譲ると言い出しました
高校を卒業したら、家を出ると
他に夢があるからと

涼子は…

亭主に桂介が他所の子供ではと、問い詰められることで、精神を病んでいました

私が病院に連れて行けばよかったんです

桂介から、涼ちゃんを涼子に紹介したい
そんな電話を貰って

心配で、家に行ったときには… もう

和友が修学旅行に行っていてよかった

涼子は、亭主を殺し 自分も…

その姿を見た桂介も後を追うように…

涼ちゃんが第一発見者でした


私達には、子供がいなかったから
和友を引き取りました

でも、涼ちゃんが何度も訪ねて来て

和友を盗られたくないって、思ったの

だから、和友に…

『あの人のせいで、家族が死んだ』

そう吹き込んだ

ごめんなさい…」