社長からのお願いで、面会は出来ないけど

仕事終わりに、朱里と観察


部屋の中が、さっぱりしてる
アルコールとかを
隠す場所がないように
棚とか撤去され
ベッドだけになってた

玩具すらない涼の部屋

あかりちゃんを抱っこして

ボーッとしてる

ゴロンと横になって、あかりちゃんをポンポンと撫でる


介護士がそろそろ寝る時間だと告げると


ずりずりとはって、ベッドに入る


薄明るい部屋


そろそろ帰ろうと思ったが

涼が起き上がった


そして…



ベッドに掴まり、ぷるぷるしてるけど

立った



車椅子を開いて、きっちりブレーキの確認

なんと!


ぷるぷるだけど、車椅子の上に立ち

入り口の壁にあるカバーを外した

電気配線のようで
少し弄ると鍵が解除され、扉が開いた


「やべえ…ドキドキするんだけど」

「パパ…俺も!あとつけよう!」


車椅子でコソッと部屋を出た涼


見つからないように、慎重に!後を追う!


「ふーん、さすがだね
指示通り来れたんだ
はい!コレ、ご褒美!」


紙袋を鞄に入れて、涼がニコッと笑う


〝ありがとう〟


と、口が動く




もう少し様子をみたかったのに


「お前か!!
姉ちゃんにアルコール渡したのは!!!」


朱里が、飛び出し

捕まえた男は…




全く予想外の… 田中だった…