介護士から報告を聞いた後

面会室で、社長が話してくれた


「君達を信じている…
助けて欲しい…
涼は、俺と親子でないことをずいぶん前から知っていたようでね」


目の前に置かれたノート数冊、中を見ると

涼の日記だった

付箋のついたページ


〝健介達の会社に行ったら、あの人がいた
怖い〟

〝お父さんの勧めで桐川さんとデートした
桐川さんは、私の事を覚えいなかった〟

〝あの人に、怨まれて当然だけど…〟

〝罰が当たった…肝臓の病気になった〟

〝薬が効かなかったら、移植
私には、家族がいない
死ぬしかない〟

〝お父さんは、私と血の繋がりがないこと
知ってるのかな?〟


〝お父さんに移植を断られた
私は、やっぱりいらなかった?〟

〝お父さんに必要とされたかった〟

〝朱里に仕事を辞めたいと言ったら
あっさりいいよって、なぜか喜んでた〟

〝残りの時間、全部朱里とすごそう〟

〝携帯に知らない番号から着信
お前の大切な人を順番に傷つけてやる
そう言われた〟

〝お父さんと不倫だなんて、記事書かれた
お父さんと会社の為だ
やっぱり辞めよう〟

〝入院して、薬を試した
ダメだった…〟

〝朱里にさみしい思いをさせたから
ありちゃんに怒られた〟

〝大切な人を順番に…もしも、朱里に何かあったらどうしよう〟

〝少し仕事しただけなのに、倒れてしまった…限界なのかな?
朱里…さみしいよ 朱里と離れたくない〟

〝晃ちゃんの誕生日
とっても楽しかった
ありちゃん… ありがとう〟

〝体が怠い また怒られるけど…
黙って入院した〟

〝夜中に誰かが来たらしい
私の酸素を止めたみたい
これは、警告?〟

〝あの人に罪を犯して欲しくない
私が死ねばすべて終わるはず〟

〝退院出来ない…
朱里に話そう もう、永くないだろうし〟

〝お父さんが来てくれた
嬉しかった でも…お父さんを巻き込みたくない
だから、お父さんを傷つけた
桂介じゃなく、私が死ねばよかった
お父さんもそう思っていた〟

〝ありちゃんのお父さんとお母さんが
朱里を養子にしてくれる
もう、大丈夫
私がいなくても、いいよね
朱里の卒業するとこみたかった〟


そのページが最後で


『罪を償いたければ、階段に来い』


そんな紙が挟まっていた