また、フラっと旅行に行ったらしい


「姉ちゃんが…」




〝明後日帰るね!いってきます!〟

そんな書き置き持った朱里が、うちに来た

「迎えの手紙置いてきたか?」

「うん」










子供達は、すでに寝てしまっている


「あれ?父ちゃん母ちゃんは?」

「いつも来てるわけじゃねぇよ」

「そうなんだ… 
パパ…涼さ
なんか、元気がないんだ
思い詰めてるっていうか
んで、またいなくなって、行き先書いてないし…」


「朱里が、信じて待ってなくてどうすんだ
明後日、聞いてみるといい
どこに行ってたの?って
仕事辞めて、次の準備とかしてるのかな?」


「パパはどうやって乗り越えたの?
その… 前の奥さんのこと」


「わかんねえなぁ~
正直、再婚どころか、恋もする気なかった
涼に出会ってから、会う度に惹かれて
いつの間にか…恋してたし、結婚したいって…
フラれたけどな!!」


「けいちゃん…
けいちゃんは、涼のことフったんだ
その後すぐ、一家で自殺した…
涼に家来てって呼び出してさ…
それが…
涼が酔っ払って、ポロリと言ってたんだ
涼のお父さんが、一家を自殺に追い詰めたって、だから…
けいちゃんに怨まれてる
どれだけ笑った顔を思い出したくても
死に顔しか、浮かばないんだって
自分は、幸せになっちゃ駄目だって…」


「俺も… 祐来が笑ってる顔より
最後の辛そうな表情が浮かぶよ
もっと…生きたいって
悔しそうな…
祐来は、再婚しろって離婚届突きつけて
笑いながら、泣いていた」


「パパ…涼の事、諦めたりしないでね」


「ん?女々しいくらい
未練たらたらだよ
涼みたいに、可愛い子はなかなか出会わないだろうからな!」


「また、相談していい?」


「なんも答えきれねえけど
どうぞ!」


お茶を飲みながら、語った




一人っ子の俺にとって、朱里は可愛い弟



朱里は、子供気分らしいが



本当に家族になりたいな



涼と朱里が、養子にくるってのはどうだ?



恋も結婚も出来なくても、家族として


一緒にいられる




どんだけ、涼と居たいんだ…


バカだな…