イルカの涼を特集する番組があった


テレビの前に両親と、俺に子供達

まず、最初に写真で桂介が紹介された

桂介は、イケメンだった

天才的な頭脳に、器用さを持っていたが
実家の工場よりも、イルカトレーナーになりたかったそうだ

志半ばで桂介が亡くなった後

イルカの涼は、食事をとらなくなった


そんな涼の為に、トレーナーの中山が

涼の名前の由来になった、涼を訪ねた


イルカの涼も涼も、食事を食べれなくなっていた

中山が、桂介のことを話して
涼と涼を対面させてから、回復した


まだ幼い、涼と朱里

イルカの涼は、

涼と朱里以外からは、食事を食べない


だから


365日、仕事の忙しい時期も
朱里が受験の時も

2人は、ずっとイルカの食事係をした


ある日、涼の仕草でイルカが技をした


桂介が教えていた技だった



中山は、ショーに出てくれと願い出た

技の後は、餌がある


他のトレーナーから、餌を食べるチャンスと考えた


だが、他のトレーナーが餌を目の前に出すと首を横に振る


その動きがかわいいと人気が出た


涼と涼のデビューの映像


「ママかわいい!!」

「涼ちゃんかわいい!!」


子供達は、大はしゃぎだが


思いっきり、失敗して水に落ちた

イルカの涼のデビューを台無しにしてしまったと、落ち込み


一生懸命、訓練を始めた


「悔しかったですねぇ
いっぱい訓練して、涼との絆が深くなりました
やっと、失敗しなくなった時は、涼がほっぺにチュウしてくれて嬉しかったです
涼は、私の弟を自分の弟だと思っていて
私が弟を水に落とすと、すぐ助けに行くんです!
ちょっと、ヤキモキ焼いて私も水に落ちてみたんですけど、助けてくれなかったです
わざととか、わかるみたいで
意地悪したりしたら、怒っちゃうし
私達、本当に兄弟のように過ごしたんで
12年あっという間でしたね」



過去から、今までの写真とか映像とか
すげぇ感動して、泣いてしまった

朱里と涼を涼が育てたんだ


最後は、ラストショーの時に朱里と涼が
涼のほっぺにキスしている写真で終わった


30分の特集番組だったけど、凄く感動!



子供達も、感動したようだった



「涼ちゃん、苦労したのね」



母ちゃんが、しみじみ言った

本当にそうだと思う



桂介や両親を亡くして

辛いことをたくさん経験して

我慢だって、たくさんしただろう