驚いたことに、涼はラインに入っている

大きな故障とかじゃない限りは、基本

教育係なんだって


「佐々木が気になります?」

「いえいえ、はい、や、すみません…
佐々木さんの動きは、なんか目で追っちゃいますね…ははっ」


桐川さん本気なんだな…

まあ この人にも、浮いた話が今までなかったのが不思議だった

容姿も中身もいいなんて、ズルイ



「佐々木は、高校生の時からうちで働いていましたから、15年ですね
会社が16年なので、長い方です
社長の愛弟子だから、何かあると
佐々木が呼ばれます」


加藤さんが教えてくれた


「実際、佐々木の動きを見ていたら
勉強になりますよ
ラインに入っていながらも、機械とか人とかよく見てる」


なんて、仕事と別の話になってたら

涼がラインから離れた


赤い腕章したリーダーのところへ

すぐにリーダーが、保全をよんだ


涼はラインに戻って、検査を再開


製品の検査が終わり、新人をつれて

機械のところで、何が悪いのか教える


すぐに、運転再開して検査をする


ずいぶん不良品が出ていた


「目がいいんですよね
早いのに、見逃ししないんですよ」


月に1度テストがあるそうで、いつも
全問正解する




休憩になると

派遣の女の子達と賑やかにしてた



「佐々木!!彼氏と食えよ!!」


とか、冷やかされてた


「うっさい!!」


桐川さんと俺は、加藤さんと食事




休憩中に、他製品のラインでトラブルがあり

涼は、そちらに呼ばれた


バタバタとお弁当を食べ、行ってしまった


すると、女の子達がきて


「佐々木さんって、恋愛さっぱりなので
大変でしょ?」

「初々しくていいなと思いますよ」

「きゃーー!!素敵!!」

「佐々木さんったら、デートってどこ行くの?とか、どういう会話するの?とか
うるさかったんですよ!!」

「あははっ まぁ 俺も慣れてなくて
結構、ぐたぐたでしたから
リベンジしないといけないんです
佐々木さんって、何が好きなんですか?」

「そりゃあ 魚でしょ?」

「魚?」


涼は、水族館で働いていること

桐川さんに話していなかった


「へぇーそうなんだ!!
ありがとうございます!!」


桐川さんは、涼の事を知って嬉しそうだった


「有瀬、知ってた?」

「うち、子供連れて行ったことあるので」

「教えろよ~」

「知ってるかと…」