その日の夜


福来が「涼ちゃんと明日会えないかな?」

と聞いてきた

隠す必要もない気がして


「涼ちゃんは、明日デートだから駄目だな」

「パパと?」

「違うよ」

「パパと涼ちゃん、お付き合いしないの?」

「涼ちゃんは、パパのお友達だよ」

「パパがぐずぐずしてるから!涼ちゃんをとられたんじゃないの!?」

「福来…選ぶのは、涼ちゃんだ!
パパは、涼ちゃんが幸せになるなら
それでいいと思っている」

「パパは、涼ちゃんの為に何かしたの?
意気地無し!!取り返して!!」

「いい加減にしろ!!」


福来の言うことは、一理ある

俺は、何もせず諦めたんだ…

福来と喧嘩をしてしまった…

これじゃ、八つ当たりだ




翌日





俺は、晃喜とちょっと遠くの大きな公園で遊んだ


福来は、母ちゃんを呼び寄せ
カレーを作るといっていた


昼は、パン屋で買ったサンドイッチ


こんなにがっつり遊んだの久しぶり…


かなり腹ペコで帰ると


「あっおかえりなさい!
お邪魔してます!!」


へ……? なんで、涼が???


「ママーー!!!」

「晃ちゃんおかえり!!」

「涼ちゃん… 今日って… 桐川さんと…」

「うん!行ってきたよ!楽しかったよ!」

「涼ちゃん!! パパのことは、ほっといていいから、こっち来て~」

「わぁ!!おいしそーう!!
福来ちゃん作ったの!?すごーい!!
私、カレー大好きなんだよ!!」


賑やかな夕食だった


歩いて涼を家に送る


「福来が、デートの邪魔したんじゃない?」

「ううん 正直、助かったの
桐川さん、すごく大事にしてくれて
楽しかったんだけど…
へへっ まぁ 今度の休みもデートなんだけどね!?」

「桐川さんは、いい人だよ
俺、すっげえ尊敬してるから」

「……そっか
ここでいいよ!ありがとう!おやすみ!」

「おやすみ」




翌日


桐川さんから

「家族ぐるみで仲が良いとか知らなかった
もっと一緒にいたかったなぁ…
この年で、マジ高校生くらいの恋愛みたいに、ドキドキするんだ!
可愛いよな、佐々木さん!!」

「すみません… 娘が、邪魔して…」

「今度は、俺も呼んでくれよ?」

「はい!是非!!」





これでいいはずなんだ……